2005

Akaike's Life Archive
 

SHINOBI

監督:下山天
脚本:平田研也
主演: 仲間由紀恵、オダギリジョー、椎名桔平、黒谷友香、沢尻エリカ、石橋蓮司 

2005年9月24日鑑賞

今更山田風太郎でもないだろう…と思っていたが、SFXの技術が向上し山田風太郎の荒唐無稽な忍法が見事に映像化されていた。
それにしても時間を止めたり、睨み殺したり忍術を遥かに越えている。
時間の関係でしかたないが、選ばれた忍者達があっけなく死んでしまったのは残念である。
人の顔を盗む忍者など、とても強そうな扮装で、もっと見せ場がありそうな雰囲気だった。
是非このクオリティで2クールくらいのテレビドラマにして欲しい。

朧が自らの能力を封じる方法には驚いた。
中国の古典のようでなかなか良い。
基本テーマなのだろうが、ロミオとジュリエット部分は余計だった。
最後まで2人が殺し合う意味がどこにあるのか、理解出来なかった。

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ランド・オブ・ザ・デッド

監督、脚本:ジョージ・A・ロメロ
主演: サイモン・ベイカー、ジョン・レグイザモ、デニス・ホッパー、 アーシア・アルジェント

2005年8月31日鑑賞

「Night of the Living Dead」「ゾンビ(Dawn of the Dead))」「死霊のえじき(Day of the Dead) 」と続きゾンビ・サーガの最新作が20年ぶりに完成した。
監督はロメロそのひとである。
ゾンビ・サーガは様々な亜流を生んだが、いよいよ御大の登場である。

さすがはホラー界のヴィスコンテだけあって、画面の作りは奇麗である。
ゾンビ達は内臓を喰らっているのだが、画面に落ち着きがある。
ちょっと古典的過ぎるきらいもあるが、キャラクターも個性的で良い。
火事で顔面が焼けただれたチャーリーが、銃眼につばを付けてから射撃する姿はカッコいい。
装甲車や街の雰囲気も良い。

しかし、ゾンビが銃を撃つまでに知能を発達させた理由がわからない。
ロメロはゾンビにどのような役割を負わせたかったのだろうか?
虐げられた下層階級か、テロリストか?
どんなに頑張っても、人肉を食べる彼らに感情移入するのは難しい。
ゾンビが社会を作りつつあるあたりが、ロメロがインスパイアーされたと思われるマシスンの「地球最後の男」に近づいたとも言える。

帰り道で、人が何人か歩いていると、ゾンビのように見えてしまった。
やはり、それなりに影響のある映画なのだ。

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妖怪大戦争

監督、脚本:三池崇史
主演: 神木隆之介、 豊川悦司、栗山千明、近藤正臣、高橋真唯 

2005年8月28日鑑賞

境港の妖怪ストリートを訪れ、調布で世界妖怪学会に立ち会った我々は、「妖怪大戦争」を観る義務がある。
「妖怪大戦争」は水木大明神や荒俣先生、京極夏彦らの「怪」チームがプロデュースしているのだ。
でも、きっとつまらないという予感がしていた。
この手のリメイクで面白かったためしがない。
「妖怪伝さくや」よりも面白ければ良しとしよう。

ボケかかったお爺さんの役は、何と菅原文太。
それ以外にも、妖怪のキャスティングなどは豪華である。
豪華なメンバーに細かいギャグをさせるためか、上映時間が長く、途中でダレてしまう。

栗山千明演じる「鳥刺し妖女・アギ」が役柄として妖艶なのはわかるが、川姫も妙に色気がある。
それよりも麒麟送子の着替えシーンが、ムダに色っぽい。
ファンサービスなのだろうか?

妖怪は戦わないという水木先生の基本方針に従い、「妖怪大戦争」であるにも拘らず、ほとんどの妖怪は戦わない。
東京で祭りがある、という噂に引き寄せられて、集まって大騒ぎするだけである。
結果的に、この大騒ぎが、敵の加藤の邪魔をすることになる。

いったんもめんに対し、「鬼太郎の前では、いい顔してるらしいじゃないか」と言ってカッパが絡むなど、小ネタも多い。
しかし、一番笑うのはオチである。
加藤の企みが、小豆一粒で崩壊するとは・・・
いくら小豆が身体にいいからといって、これでは加藤が可愛そうだ。
よく、この脚本が通ったものだ。
違った意味で、驚かされた映画だ。

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亡国のイージス

監督:阪本順治
脚本:長谷川康夫
主演: 真田広之、寺尾聰、中井貴一、佐藤浩市、勝地涼、チェ・ミンソ、原田芳雄 

2005年8月10日鑑賞

「ローレライ」と同じ原作者の映画化である。
こちらは、更に面白くなかった。
キャスティングには金がかかっている。
日本の映画界を代表するようなメンバーで固めている。
しかし、中身は海上版ダイハードである。
日本における戦争を、もっと突っ込んで描いて欲しかった。
唯一の女性であるスパイの女性の出番が少ないのには驚いた。
予告編を観る限り、誰かとの恋愛にでも発展しそうな雰囲気だったのに、コマーシャル用のサービスカットだったに違いない。

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劇場版鋼の錬金術師 シャンバラを征く者

監督:水島精二
脚本:會川昇

2005年8月10日鑑賞

頑張ってはいると思うのだが、TVシリーズの深さには追いついていない感じだった。

現実世界がメインなので、錬金術の出番が少なかったのも不満である。
第二次世界大戦前のドイツという設定は渋いのだが、オカルト関係の小ネタが多くて、若いファンには難しかったのではないだろうか。
フィリッツ・ラングには笑ったが。

TV版を見直そうと思って帰りにレンタルビデオ屋に寄ったら、ほとんど貸し出し中だった。
恐るべしハガレン人気!

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逆境ナイン

監督:羽住英一郎
脚本:福田雄一
主演: 玉山鉄二 、堀北真希 、田中直樹 、藤岡弘、 、柴田将士

2005年7月30日鑑賞

とにかくバカバカしい。

島本和彦の原作の雰囲気を見事に映像化している。
前半はまどろっこしい感じだが、終盤は盛り上がる。

「透明ランナー制」には参った。

神から与えられた、あり得ないほど不幸な逆境に立ち向かう不屈の姿を見ていると、くだらないと思いながら、やる気が沸いて来る。

「全力」の文字を付けて頑張っていきたい。

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交渉人 真下正義

監督:本広克行
脚本:十川誠志
主演: ユースケ・サンタマリア 、寺島進 、小泉孝太郎 、高杉亘 、松重豊

2005年7月18日鑑賞

かなり遅くなってしまったが、そこはお膝元のお台場、メディアージュでは最後まで上映していた。
ところが、他の映画館では終了しているのに、メディアージュではかなりの人気で、前から2番目になってしまった。

「踊る・・・」シリーズは相変わらずテンポがいい。

緻密な地下鉄を使ってクリスマスの乗客を人質に取るという現代的なアイディアも良く、どんどん話に引き込まれて行く。
主人公のネゴシエーター真下だけでは、湾岸署ファミリーとは比べようも無いが、周りの渋い役者がうまく支えている。

後で考えてみると色々矛盾があるが、ハッピーエンドの最後には、久しぶりに拍手をしたくなった。

しかし、なぜ犯人をこのようにしたんだろう?

犯人の雰囲気や鳥の使い方などは、明らかに「劇場版パトレイバー」の影響を感じる。
「出番のないまま退散かよ」というセリフは、「ルパン三世カリオストロの城」のパロディかと思うのだが、気のせいだろうか?

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サハラ

監督:ブレック・アイズナー
脚本:トーマス・ディーン・ドネリー 、ジョシュア・オッペンハイマー 、ジェームズ・V・ハート
主演: マシュー・マコノヒー 、スティーヴ・ザーン 、ペネロペ・クルス 、ランベール・ウィルソン 、デルロイ・リンドー

2005年6月18日鑑賞

「サハラ」というから何かと思ったら、クライブ・カッスラーのダーク・ピット・シリーズだった。
日本ではあまり知られていないが、アメリカでは大人気の海洋冒険シリーズである。
儲かったお金で、作者自ら物語に出て来る沈没船引き上げ組織NUMAを作ってしまったというから凄い。

「サハラ」の原作は読んでいなかったので、なぜNUMAが砂漠?と思ったが、きっちり沈没船の捜索をしていた。

実にアメリカ的なエンターテーメントである。

なぜそこに都合良く飛行機が落ちていた?爆弾を丘に投げたら探していた船が出て来た!などとご都合主義のお約束の連発である。
それでも楽しめる映画になっているのは、懐古主義なメカの使い方によるところが大きい。
南北戦争で使われた甲鉄艦は、現在の船と違ったテイストを持っていてカッコいいし、どう考えても錆び付いているその大砲で、敵のヘリを撃ち落としてしまう。

ピットに品がない気もするが、壊れた飛行機を砂漠のヨットにして疾走する楽しさがあれば、そんなことは気にならない。

テレビシリーズにでもしてくれれば良いと思う。

でも、日本では受けないだろうな・・・

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阿修羅城の瞳

監督:滝田洋二郎
脚本:戸田山雅司 、川口晴
主演: 市川染五郎[7代目] 、宮沢りえ 、大倉孝二 、皆川猿時 、二反田雅澄

2005年4月29日鑑賞

舞台は江戸時代、人間世界に紛れ込んだ鬼を成敗する部隊のエースが主人公である。
もう1人の主人公は女盗賊だが、実はこの世とあの世を繋ぐ鬼の秘密兵器である。
基本的にはこの2人のラブストーリーである。

中途半端なロミオとジュリエットのような恋愛悲劇はどうでもいいとして、設定は私の好みである。
役者も悪くないし、美術は美しい。

しかし、面白くない。

好評だった芝居を映画化したせいか、展開に無理がある。
元々舞台というお約束の形式美の世界では気にならなくても、映画となるとあちこちに綻びが見えてきてしまう。

珍しく途中で寝てしまった。

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ローレライ

監督:樋口真嗣
脚本:鈴木智
主演: 役所広司 、妻夫木聡 、柳葉敏郎 、香椎由宇 、石黒賢

2005年3月21日鑑賞

硬派な戦争映画だと思っていたら、いきなり超能力が出てきたので驚いた。

潜水艦の眼となる「ローレライシステム」はどんなものかと思ったら、超能力者を使って潜水艦の周りの状況をビジュアル化することだった。
そのコアとなるのは、ナチスの人体実験で造られた日系の少女である。
少女のコスチュームがX星人にしか見えないのはどうかと思う。
デザインは、やはり出渕。

敵艦を撃破し、人が死ぬたびに苦しむ姿は、エヴァンゲリオンの綾波レイを思わせる。
全体的にアニメティストである。
酔っ払いの機関長は明らかに「宇宙戦艦ヤマト」のオマージュだし、船の危機を乗り越えるために搭乗員が犠牲になっていくのもSFアニメのノリである。

米軍の連合艦隊が密集隊形過ぎて、ローレライを使って攻撃しなくても、激突してしまいそうだった。

そうは言っても、楽しめる娯楽映画だった。

原作も超能力少女が出てくるのか、確かめるために読んでみたい。

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ナショナル・トレジャー

監督:ジョン・タートルトーブ
脚本:コーマック・ウィバーリー 、マリアンヌ・ウィバーリー 、ジム・カウフ
主演: ニコラス・ケイジ 、ハーヴェイ・カイテル 、ジョン・ヴォイト 、ダイアン・クルーガー 、ショーン・ビーン

2005年3月20日鑑賞

謎解きの連続で観ていて疲れた。

よく考えられた暗号なのだが、手掛かりを元に謎を解くと次の手掛かりで、登場人物も言っているように、なんでここまでして隠すのかが良くわからない。

アメリカの歴史が背景にあり、日本人には難しい部分もある。

特殊な液体をつけた贈りものをし、それを触った後に叩いたキーボードのキーを特定することでパスワードを盗むなど、独立宣言を盗む前半の方が面白かった。

気が利いた冒険活劇だが、キャラクター的にインディージョーンズに及ばない。

200円払って、映画の音にあわせて振動するウィンブルシートに座ってみた。
特に迫力が増したわけでもなく、今後普及するとは思えない。
腰痛の時にはいいかも。

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CSI2

監督:
脚本:
主演:


アメリカで大人気のTVシリーズの2ndシーズンが、なぜか12チャンネルのお昼から放送されていた。
まさかそんな時間に放送されるとは思わなかったので、前半を見逃してしまった。
ちゃんと宣伝して、いい時間帯に放送すれば視聴率が取れるのに・・・。
頼むよテレビ東京!

CSIは、ラスベガスの鑑識チームの活躍を描くシリーズである。
だいたい2つの物語が平行して進行し、チームの何人かづつが担当する。

鑑識なので、ストイックに証拠を追い求める。
証人などはあまり信じず、科学者として物証を追求する。
車をバラバラにし、死体にたかっていたムシを育て、割れたガラスを修復し、隠された証拠を暴き出す。

メンバーは美男美女とは言い切らない微妙な線で、 元ストリッパーの暴力夫と分かれた子持ちやギャンブル中毒などそれぞれも問題を抱えている。
ボスである主任に至っては、ウジなどの虫の飼育が趣味である。
それでも豊富な知識でクールに事件を解決する。

仲間内での言葉のやり取りは軽く、アメリカ人らしい。
実は子供が犯人だったり、娘が父親に犯されていた、といった重いテーマも多いが、心理面にはあまり深入りせず、科学的に証拠を証明する推理に徹している。

鑑識の仕事をしたくなってしまう。

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オーシャンズ12

監督:スティーヴン・ソダーバーグ
脚本:ジョージ・ノルフィ
主演: ジョージ・クルーニー 、ブラッド・ピット 、ジュリア・ロバーツ 、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ 、アンディ・ガルシア

2005年1月19日鑑賞

前作の11は、キャスティングこそ豪華だったが、内容はシンプルな泥棒物だった。
いま時、明るく楽しい泥棒チームというだけで楽しくなる。

続編である12は、前回金庫から金を奪われたカジノのボスが、オーシャン達を見つけ出し、利子付きで金を返さないと殺すという。

のっけからテンポはいいのだが、11人という人数があだになって、何が起こっているか良くわからない。
また、前回は理由があってこのメンバーだったのだが、今回は11人の役割が不明確になっている。

それを割り引いても、楽しめた。
テンポの良さと、撮影の陽気さ、バカバカしさと軽さがうまくブレンドされている。

泥棒同士の隠語による打合せは、内容はわからないのだが、掛け合い漫才のようで面白い。
ジュリア・ロバーツがジュリア・ロバーツに化けるという設定も、ブルース・ウィルスの登場により、嘘っぽさよりもコメディとして見事になりたってしまっている。

ライバルのナイト・フォックスもいい味出している。
レーザー網をとにかく避けて渡りきる、という技は凄い!

きっとあるであろうオーシャンズ13に期待。

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カンフーハッスル

監督:チャウ・シンチー
脚本:チャウ・シンチー 、ツァン・カンチョン 、ローラ・フオ 、チャン・マンキョン
主演: チャウ・シンチー 、ユン・チウ 、ユン・ワー 、ドン・ジーホワ 、シン・ユー

2005年1月19日鑑賞

とにかくバカバカしい。

「少林サッカー」の時もそうだったが、日本のマンガを素直に実写にすれば、こうなるだろうという映画である。
ただ、「少林サッカー」に比べて前半が重く、テンポが悪い。

そうは言っても、充分笑える。
ノリはドラゴンボールである。

もう少し、達人の登場に凝って欲しかった。
見た目は本当に汚い爺さんである「笑う殺し屋」が気に入っている。
全体的に汚いところが良い。
ハリウッドには真似出来ない生活感である。

途中、意味不明のパロデリが挿入される。
全体がマトリックスのイメージだとして、扉が開いて濁流のように血が流れて来る「シャニング」のパロディを入れる意味がわからない。

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Mr.インクレディブル

監督:ブラッド・バード
脚本:ブラッド・バード

2005年1月3日鑑賞

ピクサーの作品は安心して観れる。
技術的なレベルの高さもさることながら、エンターテーメントに徹した作品づくりに好感が持てる。
今回も、笑って、ワクワクして、ほろっとさせる。

前半はテンポが悪いのだが、これはヒーロー達が虐げられている状況だから仕方ないのかもしれない。

いろいろな能力を持つヒーローが出て来るが、お母さんが一番凄いと思う。
身体を自由に変形させて、パラシュートやボートになってしまうのだ。
往年のアニメに出ていたヒューヒュー、ポーポーを思わせる。
このような親を持つ、子供の心境は複雑だろう。

それと、秘密基地がカッコいい。
滝が割れて出て来るあたりは、絶対日本の特撮を研究しているに違いない。

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